【あなたの会社は大丈夫!?】 “技術者 3 兄弟”を正しく使い分けないと建設業許可が吹っ飛ぶ!?

    建設業界に長くいる人でも、「専任技術者」「主任技術者」「監理技術者」の違いを100%理解しているとは限りません。

    実はこの3人――とっても似てるようで、まったく役割が違うんです。

    この記事では、現場と許可制度を支えるこの「技術者3兄弟」をキャラ立てしながら、わかりやすく解説していきます!

    ■ まずは全体像をつかもう!技術者3兄弟の立ち位置

    一言でいえば、「専任技術者=会社の技術的支柱」、「主任技術者=現場の責任者」、「監理技術者=大規模現場の総指揮官」といった役割分担です。

    名前活躍の場主な役割必要な資格・条件
    専任技術者会社の事務所内建設業許可を維持するために常駐実務経験や資格が必要(建設業許可要件)
    主任技術者工事現場現場管理(1件の現場を担当)一定の資格・実務経験
    監理技術者工事現場(特定)j主任技術者の上位互換+専任制

    ■ 長男:専任技術者 ― 会社に一人は必ず必要!

    「オレがいないとこの会社、建設業許可取れないぞ!」

    これは会社の事務所に常駐する“長男”、専任技術者の心の声です。

    建設業許可を取得するには、営業所ごとに1人、この専任技術者を配置しなければなりません。

    ● 役割

    • 建設業許可を受けるために必要な人材
    • 営業所に常勤しており、顧客対応や技術的助言などに携わる
    • 同時に工事現場を掛け持ちできない(※一部例外あり)

    ● 必要な資格・経験

    • 指定学科の卒業+一定の実務経験(例:高校卒+5年)
    • または、国家資格(1級・2級施工管理技士など)
    • 10年の実務経験を証明出来れば

    ● 注意点

    専任技術者は「専任」なので、他社との兼務は不可。また、他の営業所の専任技術者と兼ねることもできません。

    ■ 次男:主任技術者 ― 現場の責任者!

    次男の主任技術者は、工事現場の「技術責任者」です。

    現場を1つ任されて、「安全管理」「工程管理」「品質管理」などの総合的なマネジメントを行います。特に元請として公共工事を受注する際には、必ず配置が必要です。

    ● 役割

    • 現場に1名配置
    • 品質・安全・工程・下請け管理などを担う
    • 現場ごとの専任配置が必要(工事と現場の規模により変動あり)

    ● 資格要件

    • 原則として2級施工管理技士や、実務経験による認定

    ● 対象工事

    • 一般建設業における元請工事(下請金額が5,000万円未満)など

    ■ 三男:監理技術者 ― 特定建設業の司令塔!

    三男の監理技術者は、建設業界の中でもっともハイスペックな現場管理者。

    下請に出す金額が5,000万円以上となる「特定建設業の元請工事」で、主任技術者ではダメ!監理技術者でなければならないという決まりがあります。

    まさに現場の“将軍”といえる存在です。

    ● 役割

    • 複数の下請業者を統括し、元請としての技術責任を担う
    • 主任技術者の役割を含む
    • 必ず現場に専任で配置(他現場との掛け持ち不可)

    ● 資格要件

    • 1級施工管理技士など+元請としての実務経験(2年以上)

    ● 監理技術者資格者証

    • 資格を持っていても、それだけではダメ!
    • 国土交通大臣の登録機関から「監理技術者資格者証」の交付を受ける必要あり

    ■ 【事例で学ぶ】3兄弟を混同して失敗したC社の話

    東京都内のある中堅建設会社C社は、公共工事を元請として初めて受注。

    社長は張り切って主任技術者Aさんを現場に配置してスタート!

    しかし、下請業者への発注額が5,000万円を超えていたため、本来は監理技術者を置かなければならない案件だったのです。

    監理技術者ではないAさんを配置していたことが監査で発覚。結果、C社は指名停止処分に…

    「主任技術者でOKと思ってた」では済まされません!

    ■ 3人の使い分けに失敗するとどうなる?

    • 建設業許可の取消(専任技術者の条件違反)
    • 公共工事からの排除・指名停止(監理技術者の不備)
    • 現場停止命令(主任技術者の未配置)

    これらはすべて技術者の配置ミスが原因で起こります。

    現場の責任者選びは「なんとなく」で決めてはいけません!

    ■ 【まとめ】あなたの現場、その技術者で本当に合ってる?

    技術者名活躍場所主な目的専任が必要?
    専任技術者営業所許可維持はい
    主任技術者工事現場品質・安全・工程の管理工事ごと
    監理技術者大規模現場下請け含む現場の総合管理工事ごと

    ■ 最後に:技術者3兄弟の最適配置が、あなたの会社を守る!

    建設業の現場と制度は、見えないルールで密接につながっています。

    適切な技術者を、適切な場所に配置する――

    これができて初めて、信頼される元請・下請になれるのです。

    「この工事、主任技術者でいいんだっけ?」
    「営業所の専任技術者、別の現場に出していいの?」

    こんな疑問が浮かんだら、迷わず専門家に相談しましょう。

    “技術者3兄弟”を使いこなせる会社こそ、強い建設業者なのです!