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【保存版】一般建設業許可と特定建設業許可の違いを徹底解説!財産的要件と経営経験による代替までわかりやすく解説
建設業を営むためには、原則として「建設業許可」が必要です。
その中には 一般建設業許可 と 特定建設業許可 の 2 種類があり、どちらを取得すべきかで悩む経営者も多いはずです。
この記事では、両者の違いを財産的要件を中心に整理しつつ、特に見落とされやすい「経営経験による代替」についても詳しく解説します。
1. 一般建設業許可と特定建設業許可の違い
まずは 2 つの許可の位置づけを見てみましょう。
項目 | 一般建設業許可 | 特定建設業許可 |
---|---|---|
下請金額の制限 | 制限なし(4,000 万円以上の下請に出さない) | 下請に 4,000 万円(建築一式は 6,000 万円)以上を出す場合に必要 |
財産的要件 | 自己資金 500 万円以上または資金調達能力 | 自己資本 2,000 万円以上かつ資金調達能力 4,000 万円以上 |
専任技術者 | 資格者または 10 年経験者 | 1 級資格者または相当の実務経験者 |
社会的責任 | 中小工事を中心とする元請・下請 | 大規模工事の元請として下請を使う立場 |
つまり、大規模工事を下請に発注する立場なら特定建設業許可、そうでなければ 一般建設業許可 を取得すればよい、というのが基本的な考え方です。
2. 一般建設業許可の財産的要件
一般建設業許可を取る際に、申請者がよく不安に思うのが「財産的要件」です。
原則として、次のいずれかを満たす必要があります。
- 自己資金が 500 万円以上あること
- 500 万円以上の資金調達能力を証明できること(融資証明など)
ここで重要になるのが、自己資金 500 万円の有無を確認される という点です。
3. 経営経験による代替とは?
実はこの「500 万円の財産的要件」は、必ずしも資金証明だけで満たさなければならないわけではありません。
代替できる条件
- 過去に建設業許可を受けていたこと
- その状態で 5 年以上継続して営業していた実績 があること
この場合、「建設業の経営を継続できた」という事実が 財産的基盤の証拠 とみなされるため、自己資金 500 万円の証明に代えることができます。
具体的には
- 前会社で建設業許可を持ち、長年社長や役員として建設業を継続してきた
- 許可業者として安定的に工事を受注・遂行していた実績がある
こうした経歴を証明できれば、資金の証明書を提出しなくても申請可能です。
4. なぜ経営経験で代替できるのか?
国の考え方としては、
「すでに建設業許可を持ち、実際に 5 年以上経営を継続できた」=「財産的にも経営的にも安定している」
と評価できるためです。
つまり、形式的に 500 万円の資金証明をしなくても、過去の経営実績が信用の裏付けになるという仕組みです。
5. 特定建設業許可の場合はどうか?
注意が必要なのは、特定建設業許可にはこの代替措置はないということです。
特定建設業許可では、
- 自己資本 2,000 万円
- 資金調達能力 4,000 万円
が厳格に求められ、経営経験で代替することはできません。
6. 実務でよくある誤解
- 「一般建設業許可には財産的要件がないのでは?」
→ 実際には「500 万円以上の自己資金等」が必要。 - 「経営経験で代替できるから誰でも OK?」
→ 過去に許可を受け、5 年以上継続して営業した実績が必須。
→ 一度も許可を取ったことがない新規業者は対象外。
7. まとめ
- 一般建設業許可:自己資金 500 万円以上、または資金調達能力を証明
- ただし、過去に建設業許可を受けて 5 年以上継続して営業した実績があれば、経営経験で代替可能
- 特定建設業許可:自己資本 2,000 万円以上+資金調達能力 4,000 万円以上が必須、代替不可
8. 行政書士からのアドバイス
許可要件は書面で見るとシンプルに見えますが、実際の申請では「どの書類で経営経験を証明するか」「資金証明をどう準備するか」など、細かい実務判断が必要になります。
特に経営経験による代替を利用する場合、登記事項証明書や許可証などで実績を明確に示すことが欠かせません。
不備があると「資金証明を出してください」と指摘されることもあります。
要するに:
一般建設業許可は「500 万円の資金」または「建設業許可を受け継続して営業してきた実績」で要件を満たせる、
一方で 特定建設業許可は財産的要件を絶対に満たさなければならない という違いがあります。