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【専門家が解説】遺産分割対策と相続税対策の違いとは?多摩地域(調布・府中・稲城)の方が今からできる具体策
「相続対策」という言葉を聞くと、多くの方は「相続税を減らすこと」を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし実際の現場では、相続税対策よりもまず大切なのが『遺産分割対策』です。
遺産分割対策をおろそかにしてしまうと、どんなに相続税を減らしても、家族が揉めてしまうという最悪の結果を招くことも少なくありません。
今回は、多摩地域(調布・府中・稲城など)で実際に多い事例を交えながら、「遺産分割対策」と「相続税対策」の違い、そしてどちらを優先すべきかを、行政書士の立場からわかりやすく解説します。
■ 遺産分割対策と相続税対策の違い
まず、この二つは目的がまったく異なります。
| 項目 | 遺産分割対策 | 相続税対策 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 家族が揉めずに財産を分けること | 相続税の負担を減らすこと |
| 主な方法 | 遺言書の作成、財産の共有解消、生前贈与 | 贈与、生命保険の活用、不動産評価の見直し |
| トラブルの発生源 | 「誰が何をもらうか」で揉める | 「税金が高い」と感じる不満 |
| 優先順位 | 高い(人間関係を守る) | 次(お金を守る) |
つまり、遺産分割対策=感情の対策、相続税対策=お金の対策と言えるでしょう。
■ なぜ「遺産分割対策」が先なのか
1. 相続は「お金」より「人間関係」から崩れる
実際の相続トラブルの多くは、「税金」ではなく「分け方」が原因です。
たとえば、調布市や府中市などでよくあるケースがこちらです。
例:父が亡くなり、母と子ども 2 人が相続人。自宅は父名義で、他に預金が少しだけ。
長男が同居しており、「この家は自分が住んでいたから自分のもの」と主張。
一方で、次男は「それなら自分には現金を多くもらうべきだ」と譲らない。
結果、家をどう評価するか、誰が名義を持つかで意見が割れ、家庭裁判所の調停まで進むこともあります。
このようなケースでは、遺言書や生前の話し合いがなかったことが大きな原因です。
2. 遺言書は“家族の地図”
「うちは仲が良いから大丈夫」と思っている方ほど危険です。
遺産分割は、“お金が絡む”と関係が変わってしまうのが現実です。
そのため、まずやるべきことは遺言書の作成。
特に調布市や府中市など、土地の評価が高い地域では、不動産の価値が相続全体の大部分を占める傾向があります。
現金より分けにくい「土地・建物」が多い家庭ほど、遺産分割対策の重要性が高いのです。
■ 遺産分割対策の基本 3 ステップ
ステップ① 財産の「見える化」
まずは、自分が何を持っているのかを整理しましょう。
土地、建物、預金、有価証券、生命保険、借入金などを一覧にまとめ、「財産目録」を作ります。
調布や稲城では、複数の土地を持っているが登記が古いというケースも多く見られます。
登記簿の名義人が昔のままだと、相続のときに手続きが複雑になります。
ステップ② 「誰に何を残すか」を考える
家族構成や関係性を踏まえて、「誰にどの財産を渡すのが公平か」を考えます。
公平=平等ではありません。
たとえば同居して介護を担ってきた長男に多く残すなど、「納得のいく理由」があることが大切です。
この段階で行政書士や税理士に相談すれば、法定相続分とのバランスも考慮した設計が可能です。
ステップ③ 公正証書遺言の作成
最終的に「公正証書遺言」で形にしておくことをおすすめします。
調布市・府中市には公証役場があり、行政書士がサポートすればスムーズに作成可能です。
■ 相続税対策の落とし穴
「税金がもったいない」と思うのは自然ですが、節税を優先しすぎると、かえってトラブルになることも。
1. 生前贈与のしすぎ
贈与を繰り返すと「不公平感」や「取り戻せない資産減少」を招くことがあります。
たとえば、長男にだけ生前贈与していた場合、次男が不満を抱き、遺留分侵害額請求をすることもあります。
2. 名義預金のリスク
親名義の預金を子が自由に使っていた場合、税務署から「贈与ではなく親の財産」として課税されることも。
税金対策をしたつもりが、かえって課税対象を増やしてしまう例です。
■ 多摩地域で増えている「二次相続問題」
調布・府中・稲城などでよく見られるのが、「二次相続の税金負担が重くなる」ケースです。
たとえば、
- 一次相続(父の死亡)で、母が多くの財産を相続
- その数年後、母が亡くなった(二次相続)
この場合、母に財産が集中しているため、二次相続で相続税が一気に高くなることがあります。
そのため、一次相続の段階で子にも一部を相続させるなど、先を見据えた設計が必要です。
■ 遺産分割対策と相続税対策の「理想的なバランス」
最も重要なのは、「家族が納得できて、税金も無理なく抑えられる形」をつくること。
- 相続人全員が納得できる分割案を作る
- 税務上も不利にならないよう調整する
という流れを作るのが理想です。
特に多摩地域では、不動産がメイン資産の家庭が多いので、
「評価額をどう下げるか」よりも、「どう分けるか」「どの名義にするか」の方が重要になります。
■ 今からできる!相続トラブルを防ぐチェックリスト
- 財産の全体像を家族と共有している
- 不動産の登記名義を最新にしている
- 公正証書遺言を作っている
- 生前贈与は公平に行っている
- 税金のシミュレーションをしている
- 行政書士・税理士に相談できる窓口を知っている
この 6 つのうち、3 つ以上当てはまらない方は、早めの対策をおすすめします。
■ まとめ:トラブルを防ぐ最強の相続対策とは
相続対策とは、「税金対策」だけではありません。
むしろ、家族が争わないための『遺産分割対策』こそが第一歩です。
特に調布市・府中市・稲城市などの多摩地域では、不動産資産が多く、分けにくい相続が非常に多いのが現実です。
だからこそ、
- 公正証書遺言の作成
- 不動産の分割方法の検討
- 二次相続まで見据えた設計
これらを早めに進めておくことが、家族の未来を守る最大の相続対策になります。
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