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【府中・調布の皆さんへ】親の借金、あなたが払うことになるかもしれません。
~知らなかったではすまされない、相続のリアル~
「え!?親の借金まで相続するの?うちは資産なんてないから関係ないと思ってた…」
そんな声、相続の現場ではよく聞かれます。
実は、相続とは「財産」も「借金」もまるごと引き継ぐことなんです。
つまり、プラスの遺産だけでなく、マイナスの遺産、つまり借金も含まれます。
今回は、親の借金が相続にどう関わるのか、知らないと困る基本知識と対応策、そして実際に多摩地域でもありそうなリアルな事例をご紹介します。
■そもそも、相続って何を引き継ぐの?
法律上、相続とは「亡くなった人(被相続人)の一切の権利義務を引き継ぐこと」を意味します。
つまり、以下のようなものすべてが対象です。
プラスの財産:
- 預貯金
- 不動産
- 株や投資信託
- 車などの動産
マイナスの財産(負債):
- 借金(消費者金融、銀行ローン、カードローンなど)
- 未納の税金
- 保証人としての債務
- 携帯代、光熱費の滞納など
そう、「親が生前に借りていたお金」も例外ではありません。
■実例:府中市のケース「亡き父が借りていた 500 万円の消費者金融」
府中市に住む 40 代男性・A さん。数年前にお父様が亡くなり、葬儀などが一段落して相続手続きを始めた矢先、消費者金融から突然の連絡が。
「お父様には、亡くなる前に借りた 500 万円の未返済があります。相続人としてお支払いいただけますか?」
A さんは愕然。「え!?そんな話、聞いてない!」
しかし、お父様の財産をすでに一部使っていたため(葬儀費用として預金を引き出した)、相続を単純承認したとみなされ、借金も引き継ぐことに…。
■借金を相続しないためには?3 つの選択肢
相続人には、相続を受けるかどうか選ぶ権利があります。
それが次の 3 つの「相続の方法」です。
① 単純承認(さんじゅんしょうにん)
→ すべての財産を引き継ぐ。借金も含まれる。
→ 何も手続きをしないと、基本的にこれになります。
② 限定承認(げんていしょうにん)
→ 相続する財産の範囲内で借金を支払う。
→ プラスの遺産が 500 万円、借金が 600 万円なら、500 万円までしか返済義務なし。
→ 家族全員で家庭裁判所に申述が必要。
③ 相続放棄(そうぞくほうき)
→ 一切の相続を拒否。借金も含めて何も引き継がない。
→ 相続開始(通常は死亡を知った日)から 3 ヶ月以内に家庭裁判所に申立て。
■こんな落とし穴に注意!
◎3 ヶ月を過ぎると放棄できない?
原則として、相続放棄は 3 ヶ月以内に行わなければならないと民法に定められています(民法 915 条)。
うっかり過ぎてしまうと、「単純承認」扱いとなり、借金も引き継ぐことに…。
ただし、「借金の存在を知らなかった」など特別な事情があれば、例外的に認められることもあります。専門家の判断が重要です。
◎財産を使ってしまったらアウト?
預金を下ろした、家を売った、遺品を換金したなど、「相続財産を処分した行為」があると、放棄はできなくなる可能性があります。
つまり、「借金があるなら放棄すればいいでしょ」なんて簡単な話ではないのです。
■多摩地域で実際にあった相談:調布市の B さんの場合
B さんは、亡くなった母の実家(調布市の古家)を相続しようとしていました。
ところが登記を進める中で、銀行から「住宅ローンの残債が 300 万円ある」と連絡が。
「えっ、完済したと思ってたのに…」
母の名義で借りていたローンが、名義変更の際に明るみに出たのです。
しかも、家の評価額は 150 万円程度で、借金の方が多い状態。
最終的に、専門家に相談し、限定承認という方法を選択。
家を売却して 150 万円を返済、残りは支払い免除となりました。
■専門家に相談すべきタイミングは「すぐ」
借金のあるなしに関わらず、相続発生後は「時間との勝負」です。
なぜなら、放棄や限定承認の申述には期限があるからです。
専門家、たとえば行政書士・司法書士・弁護士などに相談することで、
- 財産調査の方法(金融機関、不動産、借金の有無)
- どの相続方法がベストか
- 書類の準備や裁判所への手続きの代行
など、複雑なプロセスをスムーズに進めることができます。
■まとめ:「親の借金も相続する」は本当。でも、選択肢もある
相続は、“お金持ちの家の話”ではありません。
むしろ、借金のリスクがある家庭ほど、正しい知識と早めの対応が重要になります。
- 相続=財産だけじゃない。借金も引き継ぐ可能性あり
- 3 ヶ月以内に放棄・限定承認の判断を!
- 「知らなかった」で済まされないリスクがある
- 迷ったら、すぐに専門家へ相談
多摩地域には、地元密着型の相続専門家が多数います。
「こんなことで相談していいのかな?」という小さな不安こそ、ぜひ相談してください。
トラブルの芽は、早めに摘んでおくのが一番の相続対策です。