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【知らないと損する!】相続人が亡くなったらどうなる?配偶者に遺産を渡したくない場合の対処法
親の遺産を相続することになったけれど、話し合いの途中で相続人の一人が亡くなってしまった――。そんなとき、「その人の配偶者に遺産を渡したくない」と考える方もいるかもしれません。特に、兄弟姉妹間の相続で揉めやすいのがこのケースです。
この記事では、「相続人が亡くなったらその相続権はどうなるのか」、「配偶者に遺産を渡さずに済ませる方法はあるのか」を、実例を交えてわかりやすく解説します。
■ 基本のキホン:遺産分割協議とは?
まず押さえておきたいのが、「遺産分割協議」です。
これは、被相続人(=亡くなった親など)の遺産を誰がどれだけ相続するか、相続人全員で話し合って決めるプロセスのことです。この協議が成立しないと、不動産を売ることも、預金を引き出すこともできません。
協議が終わる前は、親の財産は「まだ誰のものでもない」状態。相続人全員で共有している、いわば「宙ぶらりん」のような財産です。
■ こんなときどうする?遺産分割前に相続人(長女)が死亡
◯ ケースの例:
- 被相続人:母(既に亡くなっている)
- 相続人:長男と長女
- 遺産:不動産 3000 万円
- 話し合いで「売却して 1500 万円ずつ分ける」予定だったが、長女が協議成立前に死亡
さて、この場合、長女の「1500 万円分の権利」はどうなるのでしょうか?
答えは、長女の法定相続人(たとえば配偶者や子ども)が、その権利をそっくり引き継ぐということになります。
これを「数次相続(すうじそうぞく)」といいます。
つまり、長男としては、もともと長女と遺産を分けるはずだったのに、今度は長女の配偶者や子どもたちと話し合わなければならなくなるのです。
■ 「協議後」に亡くなった場合との違い
ここで重要なのが、「遺産分割協議の前に亡くなったか、後に亡くなったか」の違いです。
状況 | 長女の死亡時期 | 影響 |
---|---|---|
協議の前 | 相続人としての立場がそのまま配偶者・子に引き継がれる | 長女の相続人が協議に加わる必要がある |
協議の後 | 長女の取得分が確定済み | その取り分を相続人が相続するだけで協議は不要 |
つまり、「協議前」に亡くなった場合は、長女の配偶者や子が「長女の代わりに」協議に参加する必要があるということです。協議のやり直しですね。
■ 「長男が全て相続する」と協議書に書けば OK?→ダメです!
「よし、じゃあ長男が全て相続するって協議書に書けばいいんじゃない?」と考える人がいますが、それは完全な誤解です。
協議書にどう書いても、関係者全員の署名・押印がなければ無効です。
つまり、長女が死亡していた場合、その「代わり」になる長女の配偶者・子など全員の同意が必要です。彼らの署名・実印・印鑑証明書が揃わなければ、登記も銀行の手続きも通りません。
■ 長女の配偶者に渡したくない!そんなときどうする?
「できれば長女の夫に遺産なんか渡したくない……」
このような気持ちを持つ人も多いでしょう。ですが、以下のような方法で対処するしかありません。
- 長女が生きているうちに分割協議を終える
一番確実なのはこれです。長女がまだ元気なうちに、「長男が全て相続する」などの協議をまとめておくことで、その後、長女が亡くなっても配偶者は関係ありません。 - 長女に相続放棄してもらう(親の死後 3 か月以内)
被相続人の死亡後 3 か月以内であれば、家庭裁判所に相続放棄の申述をしてもらえます。
ただし、長女が放棄すると、その子が代わって相続人になります(代襲相続)。この点にも注意が必要です。 - 長女の相続人に「全て放棄してほしい」と頼む
最終手段はこれです。長女の夫や子どもに「今回はすべて長男に相続させるので、協議に同意してほしい」とお願いし、遺産分割協議書に署名押印してもらいます。
■ 結論:遺産を渡さないためには、法律に基づいた“同意”が必須!
「遺産は渡したくない」と思っても、民法のルールは厳格です。勝手な協議書や一方的な書類では、登記もお金の引き出しもできません。
遺産分割前に相続人が亡くなると、その人の相続権が“次の相続”として引き継がれる(数次相続)ため、思わぬ相続人が登場し、協議が複雑になることもあります。
■ まとめ:協議前に亡くなったら誰が相続する?
ポイント | 内容 |
---|---|
協議前に死亡 | その人の相続人(配偶者・子)が権利を引き継ぐ |
協議後に死亡 | 取得済みの財産をそのまま相続人が受け継ぐ |
「渡したくない」は可能か? | 原則不可。全員の同意が必要 |
有効な対策 | 生前に協議を終える/相続放棄してもらう/協議で同意してもらう |
■ まとめに代えて
相続は感情が絡むからこそ、ルールと手続きを正しく理解することが大切です。
「知らなかった」で損をしないためにも、早めに協議を進め、相続人同士で納得できる話し合いを心がけましょう。
また、複雑なケースでは行政書士や司法書士などの専門家に相談するのもおすすめです。