まだ公共工事を行ったことのない建設業の経営事項審査で気を付けるべきこと

    公共工事を初めて行うために経営事項審査(経審)を受ける建設業者にとって、準備や手続きは新しい挑戦です。経審の結果は公共工事への参加資格に直結するため、しっかりと対策を講じることが重要です。本記事では、まだ公共工事の実績がない場合に経審を受ける際の注意点を解説します。

    1. 経営事項審査の基本を理解する

    経審は、建設業者が公共工事に参加するために必要な審査で、大きく分けて次の2つの評価項目があります。

    定量的評価(経営状況分析): 財務状況を分析し、経営の健全性を評価します。

    定性的評価(経営規模等評価): 技術者数、施工実績、社会性対策などを基に、企業の規模や社会的評価を測ります。

    公共工事の実績がない場合でも、これらの評価項目を満たすことで十分な評点を得ることが可能です。

    2. 初めての経審で必要な準備

    公共工事未経験の場合でも、審査に必要な準備をしっかり行うことで高評価を得ることができます。

    財務諸表の整備

    正確な財務諸表を作成: 貸借対照表や損益計算書を税理士に依頼するなどして、適切に作成してください。

    自己資本比率を重視: 借入金を適正に管理し、健全な財務状況をアピールすることが重要です。

    技術者数の確保

    有資格者の雇用: 1級建築施工管理技士や1級土木施工管理技士を持つ技術者を採用する。

    既存社員の資格取得支援: 社員に資格取得を促進することで、長期的な技術力強化が可能です。

    社会性対策への取り組み

    コンプライアンスの徹底: 法令遵守を明確にし、社会的信用を確立します。

    働き方改革やSDGsへの対応: 労働環境改善や環境保護への取り組みを実施することで、プラス評価につながります。

    3. 施工実績がない場合のポイント

    公共工事の施工実績がない場合でも、他の実績や取り組みで評価をカバーすることが可能です。

    民間工事の実績を整理

    大規模案件を強調: 規模が大きい工事や技術的に難易度の高い工事を重点的に記載。

    写真や証拠資料の活用: 施工内容を示す写真や書類を添付することで、説得力が増します。

    実績がない分野の補完

    協力会社との提携: 実績不足を補うために、協力会社や共同企業体(JV)での参加を検討。

    企業の取り組みをアピール: 安全管理や品質管理への取り組みを具体的に説明します。

    4. 経審で注意すべき書類作成のポイント

    経審で求められる書類は、正確かつ詳細に準備する必要があります。

    財務諸表の確認: 特に利益率や自己資本比率が評価に影響を与えるため、専門家にチェックしてもらいましょう。

    技術者資格証明の提出: 資格証のコピーや証明書を確実に用意します。

    施工実績の具体的記載: 可能な限り詳細に記載し、信頼性を高めます。

    5. 初めての経審で失敗しないための体制づくり

    初めての経審は不安が伴いますが、適切な体制を構築することでスムーズに進めることができます。

    専門家の活用: 行政書士やコンサルタントを活用し、必要な情報を得る。

    複数人での確認: 書類作成や提出前に複数の目で確認を行い、ミスを防ぎます。

    長期的な計画の策定: 経審を一回きりの手続きとせず、継続的な改善を目指します。

    6. 公共工事未経験からの飛躍を目指して

    公共工事未経験の企業でも、経審で高評価を得ることで入札参加資格を得ることが可能です。重要なのは、事前準備と長期的な視点での取り組みです。

    継続的な取り組み

    PDCAサイクルの活用: 計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)を繰り返し、評価点を向上させます。

    最新情報の収集: 審査基準や制度変更を常に把握し、柔軟に対応します。

    初めての公共工事への挑戦

    小規模工事から始める: 小規模な公共工事から実績を積み上げることで、信頼性を高めます。

    地元自治体との連携: 地域に根差した取り組みを通じて、評価を得ることも有効です。

    終わりに

    まだ公共工事を行ったことのない建設業者にとって、経営事項審査は大きなステップです。初めての経審を成功させるためには、財務や技術者の整備、社会性対策への取り組みなどを含めた準備が欠かせません。適切な戦略と体制を整え、未来への第一歩を踏み出しましょう。