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家族信託とは?多摩地域のご家庭におすすめの“未来の財産管理術”
少子高齢化が進む日本社会。とくに東京都多摩地域でも「親が高齢になってきて財産の管理が心配」「認知症になったら銀行口座が凍結されるのでは?」といった声をよく耳にします。
そんなときに注目されているのが 家族信託(かぞくしんたく) です。
家族信託と聞くと「不動産の管理のための制度」と思われがちですが、実は 現金や預貯金、株式などの流動資産 も対象にできます。今回は、多摩地域の方々に向けて、家族信託を使った財産管理の基本から活用シナリオまで、わかりやすく面白く解説していきます。
家族信託の基本構造
家族信託は「信じて託す」と書くとおり、信頼できる家族に財産の管理・運用を任せる仕組みです。登場人物は以下の 3 人です:
- 委託者(財産を持っている人):たとえば高齢の親。
- 受託者(管理を任される人):多くは子どもやきょうだい。
- 受益者(財産から利益を受け取る人):親がそのまま受益者になるケースが一般的です。
つまり、「親が自分の財産を子に託すけれど、その財産からの利益は引き続き自分が受け取る」という契約関係を作るのです。
家族信託でできること(不動産以外も!)
- 預貯金の管理
銀行口座は本人が認知症になると、相続や成年後見制度を利用しない限り、引き出しや振り込みができなくなります。家族信託を設定すれば、子どもが受託者として自由に入出金や支払いが可能になり、生活費や介護費用をスムーズに工面できます。 - 株式・有価証券の運用
多摩地域でも中小企業を経営している方が多いですが、自社株式を信託することで、将来の事業承継に備えることができます。株主としての権利を誰が行使するかを信託契約で決めておけば、経営の混乱を防げます。 - 投資信託や保険金の管理
金融資産が多い家庭ほど「資産凍結」が大きなリスクとなります。信託を通じて運用や換金を任せられるため、相続発生時や認知症時の資産凍結リスクを回避できます。 - 将来の生活費を計画的に確保
現金を信託しておけば、たとえば「毎月 20 万円を母の生活費として支払う」といったルールを設定可能。これは遺言や贈与では難しい仕組みで、安心して老後生活を送れます。
多摩地域でよくある家族信託の活用シナリオ
シナリオ 1:高齢の親の財産を守りたい
八王子市に住む A さん(80 歳)は、持ち家のほかに預貯金が 3000 万円あります。将来、認知症になったときの管理を心配し、長男を受託者に指名。家族信託契約を結びました。これにより、長男は親の代わりに銀行口座の管理や必要な支払いを行えるようになり、介護費用もスムーズに確保できます。
シナリオ 2:自社株式の承継
立川市で会社を経営する B さんは、自社株を信託し、経営権を息子に託しました。自分が亡くなるまで受益者は B さん本人ですが、将来は息子が受益者になるよう設計。これにより、会社の経営を混乱なく引き継げました。
シナリオ 3:夫婦二人暮らしの生活費確保
多摩市在住の C さん夫妻。夫の口座にある預金 2000 万円を信託し、「毎月 15 万円を妻の口座に振り込む」というルールを設定。夫に先立たれても妻の生活費が自動的に確保される安心感が生まれました。
メリットとデメリット
メリット
- 認知症になっても資産が凍結されない
- 不動産だけでなく現金・株式も管理可能
- 遺言よりも柔軟な資産承継が可能
- 二次相続(夫→妻→子など)まで設計できる
デメリット・注意点
- 契約の内容が複雑で、専門家のサポートが必要
- 不動産を信託する場合、登記費用や登録免許税がかかる
- 信託財産が多い場合、税務上の検討も必要
成年後見制度との違い
「それなら成年後見制度でいいのでは?」と思う方もいるでしょう。違いを整理すると:
- 成年後見制度:裁判所が関与。柔軟性は低いが法的に強固。
- 家族信託:契約ベースで柔軟。財産承継まで一体的に設計できる。
多摩地域でも「成年後見よりも使いやすい」と家族信託を選ぶ方が増えています。
多摩地域で家族信託を検討するなら
多摩地域は住宅地が多く、高齢化も進んでいるため「親の財産管理」が課題になりやすいエリアです。特に以下のような方は、家族信託の活用を検討する価値があります。
- 高齢の親を介護しているご家庭
- 不動産と預貯金の両方を保有している方
- 中小企業を経営していて事業承継を考えている方
- 遺言だけでは不安がある方
専門家に相談する重要性
家族信託は自由度が高い反面、設計を間違えると「相続税が増えてしまった」「思っていたように財産が使えない」などのトラブルに発展する可能性もあります。契約書の作成には専門知識が必要ですので、多摩地域に強い行政書士・司法書士・税理士などに相談するのがおすすめです。
まとめ
家族信託は「不動産だけの制度」ではなく、現金や株式といった流動資産にも有効です。認知症対策、生活費の確保、事業承継など、多摩地域のご家庭が直面する課題を解決する強力なツールになります。
これからの時代、家族信託を活用するかどうかで、安心できる老後や相続のスムーズさが大きく変わります。大切な財産を「守りながら活かす」仕組みとして、ぜひ検討してみてください。