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小規模宅地の特例「家なき子制度」とは?
~同居していなくても相続税が安くなる⁉ 多摩の相続で知っておきたい裏ワザ~
東京都多摩地域。住宅地が広がり、一戸建てや分譲マンションに長年暮らす高齢者も多いこのエリアでは、近年「相続税どうしよう問題」が静かに増えています。
特に、「実家を相続したけど、相続税が高くて困った…」という声、あなたの周囲にもありませんか?
でもちょっと待ってください。
実は、ある条件を満たせば、土地の評価額を最大 80%も下げられる制度があるんです。
それが「小規模宅地等の特例」、そして今回のテーマである「家なき子特例」です。
◆ 小規模宅地等の特例ってなに?
まず簡単にこの制度の概要を押さえておきましょう。
たとえば、多摩市で評価額 6,000 万円の一戸建て住宅を親が残してくれたとします。
その土地が「小規模宅地等の特例」の対象になれば、6,000 万円 × 80%減=1,200 万円の評価で済むんです。
つまり、相続税を大幅に軽減できるというわけですね。
通常、この特例は「被相続人と一緒に住んでいた相続人」が適用できるものですが…
実家を出て、多摩地域の賃貸に住んでいるあなたにも、チャンスがあります。
それが通称「家なき子特例」です!
◆ 「家なき子」ってどういう意味?
家なき子、なんて言うと昭和のドラマみたいですが、税法上では以下のような相続人を指します。
相続開始前 3 年以内に、自分または配偶者が所有する住宅に住んでいなかった人
つまり、ずっと実家に住んでいたわけじゃなくても、
- 現在は賃貸マンションやアパートに住んでいて
- 持ち家を 3 年以上前に売ってしまっていて
- 配偶者の家も持っていない
というような人であれば、「家なき子」として小規模宅地等の特例を使える可能性があります。
◆ どんなケースで使えるの?
例)多摩市在住の A さんのケース
A さんは 50 代の会社員。八王子市の実家には両親が暮らしていましたが、A さん自身は府中市の賃貸マンションで家族と生活。
数年前に持ち家を売却し、ずっと賃貸暮らしです。
そんなある日、父親が亡くなりました。
母はすでに他界しており、実家に住んでいる親族はいません。A さんは実家を相続することに。
このとき、A さんは「家なき子特例」に該当する可能性があります。
- 実家には同居親族がいなかった
- 自分も配偶者も持ち家を持っていない
- 現在はずっと賃貸暮らし
- 相続税の申告期限(10 か月以内)まで実家の土地を売らずに持ち続ける予定
これらの条件を満たせば、八王子市の土地評価額 5,000 万円が、1,000 万円で評価されるようになり、相続税が大きく軽減されます。
◆ 適用のための 4 つのチェックポイント
- 相続人が「家なき子」であること
→ 相続開始前 3 年以内に、自分または配偶者の持ち家に住んでいないこと。賃貸や社宅は OK。 - 被相続人に同居している親族がいないこと
→ 同居の親族(兄弟など)がいると、その人が優先的に適用対象になります。 - 相続開始時に住んでいた住宅をそのまま維持
→ 相続税の申告期限(10 か月以内)まで今の住まい(賃貸など)を解約せずにキープ。 - 相続した土地をすぐ売らない
→ 相続税の申告期限までは手放さず、保有し続けることが必要です。
◆ 注意!こんな場合は NG になることも
- 3 年以内にマイホームを売って引っ越してきた
→ 売却から 3 年が経過していなければ「家を持っていた」と判断され NG。 - 配偶者の家に住んでいた
→ 配偶者が所有する家も「自分の持ち家」としてみなされてしまいます。 - 相続後すぐに実家を売却してしまった
→ 相続税の申告期限前に売ると特例の適用を受けられなくなります。
◆ 多摩地域の「家なき子」予備軍は多い⁉
多摩地域は、昭和~平成にかけて一戸建てを建てた親世代が多く住んでいます。
一方、子ども世代は結婚後、立川や調布、府中などの駅近マンションや賃貸物件で生活しているケースも多く見られます。
つまり、「実家を出て長年別居し、いまは家を持っていない」という人が案外多く、「家なき子特例」の対象者になり得る人がたくさんいるということです。
◆ まとめ:使えるなら使いたい、小規模宅地の「家なき子特例」
要件 | 内容 |
---|---|
被相続人と別居している | はい |
自分・配偶者の持ち家に 3 年以内に住んでいない | はい |
被相続人に同居親族がいない | はい |
相続した土地を申告期限まで保有する | はい |
上記をすべて満たすなら、相続税を大きく抑えられるチャンスです。
◆ 最後に:専門家に相談を
「条件に当てはまりそうだけど、自信がない…」
そんなときは、税理士や行政書士などの専門家にご相談ください。
多摩地域には、地域に根ざした相続の専門家も数多くいます。
家族を思う気持ちに、制度という「知恵」を重ねて、より良い相続にしていきましょう。