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経営事項審査における Z 点(工事種別技術職員数・元請完成工事高)の詳細と点数アップのためのアドバイス
経営事項審査(経審)は、公共工事の入札参加資格を得るために必要な評価制度です。その中でも、Z 点(工事種別技術職員数・元請完成工事高)は、企業の技術力や施工能力を評価する重要な項目です。本記事では、Z 点の仕組みを詳しく解説するとともに、点数アップのための具体的な対策を紹介します。
1. Z 点の概要
Z 点は、建設業者の工事種別ごとの技術職員数と元請として完成させた工事の実績を評価する項目です。以下の2つの要素で構成されています:
(1) 工事種別技術職員数
• 工事種別技術職員数は、各工事種別(例えば土木、建築、電気など)において必要な資格を持つ技術職員の人数を基に評価されます。
• 技術職員とは、一級建築士、一級施工管理技士など、特定の資格を保有する者を指します。
• 各工事種別で定められた必要最低限の人数を満たしているか、さらに超過しているかによって点数が変わります。
(2) 元請完成工事高
• 元請完成工事高は、元請として完了した工事の年間実績額を基に評価されます。
• 過去3年間の実績が評価対象となり、元請としての工事実績が多いほど高得点につながります。
2. Z 点が重要な理由
(1) 技術力と施工能力の評価
Z 点は、企業の技術力と施工能力を直接的に反映するため、公共工事の入札で競争力を高める上で非常に重要です。
(2) 高得点で入札機会の増加
Z 点は経審の総合評点(P 点)の一部を構成し、高得点を得ることでより多くの入札機会を得ることが可能です。
(3) 企業の信頼性向上
技術職員数や元請工事高の充実は、取引先や金融機関に対して企業の信頼性を示す材料となります。
3. Z 点アップのための具体的な対策
(1) 技術職員の確保と育成
• 資格取得の奨励: 従業員が一級建築士や施工管理技士などの資格を取得できるよう、資格取得支援制度を整備します。
• 中途採用の活用: 資格を保有する即戦力の人材を中途採用で確保することも有効です。
• 従業員の定着: 技術職員が長期間働ける環境を整備することで、技術力の蓄積と安定化が期待できます。
(2) 元請工事の実績向上
• 元請工事の受注強化: 下請から元請にシフトする戦略を立てます。例えば、小規模な工事でも元請としての実績を積み重ねることが重要です。
• 過去の工事実績の整理: 適切に記録された過去の工事実績を整理し、経審で提出する資料を正確に整備します。
• 自治体との関係構築: 地元自治体との関係を強化することで、公共工事の元請受注の機会を増やします。
(3) 経営戦略の見直し
• 多様な工事種別への対応: 複数の工事種別で技術職員を配置し、それぞれのZ 点を底上げします。
• 工事規模の拡大: 元請完成工事高を増やすため、より大規模な工事を受注できる体制を整えます。
• 連携強化: 他の企業とのジョイントベンチャーを活用し、大規模な元請工事に参加することで実績を拡大します。
(4) 書類作成と確認
• 正確な書類作成: 技術職員の資格証明書や工事実績に関する書類を正確かつ適切に整備します。
• 専門家の活用: 行政書士やコンサルタントに依頼して、提出書類の精度を高めることで点数の取りこぼしを防ぎます。
4. 実践的なアドバイス
(1) 定期的な評価の見直し
年度ごとに技術職員数や工事実績を確認し、不足している部分を早期に補う計画を立てましょう。
(2) 長期的な育成計画
資格取得には時間がかかるため、中長期的な人材育成計画を策定し、計画的に資格保有者を増やすことが重要です。
(3) 地域性を活かす
地方自治体の公共工事を積極的に受注することで、元請工事の実績を積み上げることができます。地域密着型の戦略を展開しましょう。
(4) 専門知識の活用
経審やZ 点対策に詳しい専門家に相談することで、効率的な対策が可能です。また、最新の制度変更にも迅速に対応できます。
5. まとめ
Z 点(工事種別技術職員数・元請完成工事高)は、経営事項審査において企業の技術力と施工能力を示す重要な指標です。高得点を獲得することで、公共工事の入札で有利な立場を築き、企業の競争力を向上させることができます。
技術職員の確保と育成、元請工事実績の向上、そして適切な経営戦略の実施を通じて、Z 点を効果的に改善しましょう。また、専門家の助言を活用しながら、書類作成や提出手続きにも万全を期することが成功の鍵となります。
Z 点を強化する取り組みを継続的に行い、建設業者としての信頼性と成長を確保していきましょう。