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誰にも迷惑かけないつもりが…!?“おひとりさま”の相続トラブル実録!
■「私には家族がいないから大丈夫」…それ、危険かも?
「迷惑をかけたくないから、身辺整理もしたし、葬儀は直葬でいい。誰にも財産を渡す気もないし…」
最近増えている、“おひとりさま”の方からよく聞かれる声です。
しかし実際には、家族がいない人こそ、相続の準備をしておかないと深刻なトラブルになりかねません。
なぜなら、“あなたが亡くなったあと”には、あなたの意思を確認できる人がいないからです。
今回は、実際に多摩地域で起きた事例も交えながら、「おひとりさま」が直面する相続の落とし穴を紹介し、専門家と一緒に備える重要性をお伝えします。
■「おひとりさま」の定義って?
ここでいう「おひとりさま」とは、配偶者も子どももおらず、兄弟姉妹や甥姪なども疎遠、または関係が薄い方を指します。
少子高齢化・未婚化が進む現代において、こうした方は年々増えています。
ところが、相続の法律は“家族がいる前提”で作られている部分が多く、身寄りのない人が亡くなった場合、想定外の事態が起こるのです。
■実例①:亡くなったあと、誰が遺体を引き取る?(調布市・70代男性)
調布市に住む 70 代の A さんは、長年一人暮らしをしていました。身寄りは遠縁の親戚のみ。
亡くなった後、自治体からその親戚に連絡が入るも、「20 年以上会っていないので関われません」と断られ、遺体の引き取り手がいないまま自治体が火葬・納骨することに。
遺品整理も進まず、アパートの家主ともトラブルに発展しました。
■実例②:知らぬ間に“遠縁の相続人”が…(府中市・60代女性)
府中市で暮らしていた 60 代の B さん。長年働いた企業での退職金や、貯金、マンションなどの財産がありましたが、独身で子どももいませんでした。
亡くなった後、相続人がいないと思われていたものの、戸籍を調べると遠い親戚(祖父の兄の孫)が法定相続人として名乗り出てきました。
遺言がなかったため、その人が財産をすべて相続。
B さんが生前かわいがっていたペットの世話をする人もおらず、信頼していた知人には何の権利も残りませんでした。
■おひとりさま相続で起こりがちなトラブル
① 財産の行き先が決まらない
相続人がいない場合、最終的に国庫に帰属(=国のものになる)する仕組みがあります。
でもその前に、遺産は「相続財産管理人」が裁判所によって選任され、債権者への支払い、関係者の調査などが長期間行われます。
家が放置されたままになったり、遺品整理が進まず、周囲の人が困ることに。
② 遠縁の親戚とのトラブル
まったく連絡を取っていなかった親戚が、「財産目当て」で突然現れるケースもあります。
遺言がないと、法律に従ってその人が相続することになります。
③ ペットの行き場がない
特に増えているのが「ペットの引き取り先がなくなる」問題。
飼い主が急逝したあと、家族がいなければ、ペットが保健所に引き取られてしまうことも。
■トラブルを防ぐために今できること
● ① 遺言書を作成する
おひとりさまの最重要対策です。
自分の財産を「誰に・何を・どう渡すか」をきちんと書いておくことで、トラブルを回避できます。
たとえば…
- 長年世話になった友人に○○万円を遺贈する
- お世話になった団体に寄付する
- ペットの世話を頼みたい人に費用と一緒に渡す
など、あなたの「想い」を形に残す手段になります。
● ② 任意後見契約・死後事務委任契約
判断能力が落ちたときや亡くなったあとのことを託す「任意後見契約」「死後事務委任契約」も検討しましょう。
- 医療・介護の意思決定
- 火葬・納骨の手続き
- 賃貸物件の解約や公共料金の精算
などを、信頼できる人や専門家にお願いする契約です。
● ③ 専門家への相談は早めに
行政書士・司法書士・弁護士など、相続と成年後見に詳しい専門家に相談すれば、適切な手続きや文書の作成、遺言執行人の指定まで安心して任せられます。
■まとめ:本当に「迷惑をかけたくない」なら、準備が必要
「私には誰もいないから関係ない」
そう思って何もしないことが、逆に周囲に大きな迷惑や負担をかける結果になる――それが、おひとりさまの相続のリアルです。
あなたの意思を形にしておくことで、
- 大切な人に想いを託せる
- 財産を有効に活かせる
- ペットの行き先も守れる
- トラブルから周囲を守れる
そんな、安心の“ひとり時間”の準備ができます。
【専門家からひとこと】
多摩地域(府中・調布・国分寺など)では、相続や死後事務に関するご相談が増えています。
「何から始めればいいかわからない」
「漠然と不安があるけど、誰に聞けば…」
そんな方こそ、まずは気軽にご相談ください。
あなたの“そのまま”を聞かせていただければ、一緒に最適な備えを考えられます。