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調布市、府中市、稲城市で入札をお考えの社長様へ。公共工事の入札における客観等級と主観等級の違いと重要性わかりますか?
公共工事の入札に参加するには、業者の評価が厳格に行われます。その評価指標として用いられるのが「客観等級」と「主観等級」です。これらは、建設業者の技術力や経営状況、過去の施工実績などを基に決定され、入札資格や受注可能な工事の規模に影響を与えます。本記事では、客観等級と主観等級の違いとその重要性、特に経営事項審査(経審)との関係について詳しく解説します。
1. 客観等級とは
「客観等級」とは、数値データを基に業者の能力を評価する指標です。これは、主に経営事項審査(経審)で算出される 総合評定値(P 点) を基準とし、企業の経営状況や施工実績を数値化したものです。客観等級は、入札資格の基準を満たしているかどうかを判断するために重要な指標となります。
客観等級の評価基準
客観等級の決定には以下のような要素が考慮されます。
- 経営事項審査(経審)の総合評定値(P 点)
経審は、国土交通大臣の定める基準に従い、業者の経営状況や技術力を評価する制度です。P 点は以下の要素を含みます。- 経営規模(X1):完成工事高(業種別)
- 経営規模(X2):自己資本額(利払い前・税引き前・償却前利益の額)
- 技術力(Z):技術職員数(業種別)元請完成工事高(業種別)
- 社会性等(W):建退協への加入、法定外労災への加入。
- 施工実績
過去に受注した工事の件数や規模、工事の種類が評価対象となります。 - 財務状況
資本金や自己資本比率、利益率など、企業の安定性が求められます。
2. 主観等級とは
東京都に入札参加資格を申請する際に、入力が必要な【過去最高完成工事経歴】の請負金額(税込み)が「主観点数」になります。発注者の評価が大きく影響する点が特徴です。
主観等級の評価基準
主観等級は、以下のような要素によって決まります。
- 過去 6 年間の間に
- 東京都近郊で施工した工事
- 1件当たりの金額が1番大きい
- 工事の請負代金(税込み)
例
2年前に 東京都内で 3600万円(税込み) 水道施設工事を施工した
→ 主観点数は3600万点
但し、民間発注の場合は。2分の1の額として計算されます。
3. 客観等級と主観等級の関係
公共工事の入札では、客観等級と主観等級の両方が考慮されるため、どちらか一方が高くても良い結果を得ることは難しいです。
例えば、
- 客観等級(P 点)が高くても、過去の施工評価(主観等級)が低いと、入札資格を満たせない場合がある。
- 主観等級が高くても、経営状況や技術力(客観等級)が不足していると、大規模な工事には参加できない。
このため、業者は経審の点数を向上させるだけでなく、過去の請負金額の大きさが重要となります。
4. 経営事項審査(経審)における重要性
経審は、公共工事の入札に必須であり、経審の P 点が客観等級に直結します。そのため、以下のような対策が求められます。
経審の P 点を上げるための対策
- 財務体質の強化
- 自己資本比率を高め、健全な経営を維持する。
- 負債を減らし、財務安定性を確保する。
- 技術者の育成
- 技術資格(1 級・2 級施工管理技士など)を取得する。
- 技術者の教育研修を行い、技術力を向上させる。
- 施工実績の積み上げ
- 受注工事の種類や規模を拡大し、幅広い経験を持つ。
- 品質の高い施工を心がけ、発注者からの評価を高める。
- 社会的評価の向上
- ISO 取得や環境対策、安全対策を強化する。
- 労働環境の整備、女性や若年層の雇用促進を進める。
5. まとめ
指標 | 内容 | 重要性 |
---|---|---|
客観等級 | 経営審査の点数や施工実績など数値的な評価 | 入札資格の判断基準 |
主観等級 | 発注者の評価を基にした業者の言頼性 | 受注可能性を左右する |
公共工事の入札では、客観等級(P 点)を向上させることと、発注者からの評価(主観等級)を高めることの両方が求められます。特に、経審の P 点を高めるためには、財務の健全化、技術力の向上、施工実績の充実が不可欠です。また、施工品質の向上や社会的貢献を意識することで、発注者からの評価も向上し、長期的に公共工事の受注がしやすくなります。業者が入札で成功するためには、単なる数値的な評価だけでなく、日々の施工の質や企業姿勢の改善が鍵となるのです。
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