【完全版】東京都の建設業許可更新で気を付けるポイント

    ― 納税証明書は本当に必要?多摩地域の会社がハマりやすい落とし穴まで徹底解説 ―

    建設業を営む会社にとって、5 年に一度の「建設業許可更新」。

    多くの社長さんが口をそろえて言います。
    「更新なんて、ただ更新するだけでしょう?」
    「税金の証明とか、何を出すんでしたっけ?」

    ところが、この“ただの更新”が意外に落とし穴だらけ。
    提出漏れ 1 つで「不受理」→許可失効という最悪の流れも珍しくありません。

    特に、調布・府中・稲城・多摩地域の中小建設業者さんがつまずきやすいポイントがいくつかあるため、
    本記事では「東京都の実務そのまま」レベルで、わかりやすく、時々笑いを交えながら、徹底解説します。

    ◆ 1. 東京都の建設業許可更新は“期限が命”

    更新申請の提出期限は、有効期限の 30 日前まで。

    たとえば、
    ・許可期限:令和 7 年 3 月 31 日 → 令和 7 年 3 月 1 日までに提出必須

    東京都は特に“期限に厳格”で、
    1 日でも遅れると「はい、失効です」になるため、
    繁忙期の 2 月〜3 月は地獄のような混雑になります。

    多摩地域の会社さんの多くが「忙しくて後回しにしていた」パターンで焦ることが多いので、
    カレンダーに赤字で丸をつけておきましょう。

    ◆ 2. 東京都の更新では納税証明書は必要ない

    ここが非常に誤解されやすいポイント。
    結論はこうです。

    東京都の建設業許可「更新」の場合、納税証明書は一切不要。

    「えっ?税金払っているか見ないの?」
    「財務状態のチェックは?」
    と思われがちですが、東京都の更新はそこをチェックしません。

    • 新規許可 → 納税証明書いる
    • 業種追加(特定) → いる
    • 般特新規 → いる
    • 更新 → いらない!!!

    役所の手引きにも「納税証明書」の記載はありません。
    つまり、調布でも府中でも稲城でも、どこの窓口でも同じ回答になります。

    ただし例外もある

    以下の場合のみ、納税証明書が必要です。

    1. 特定建設業の許可を新たに取得する場合(般特新規)
    2. 特定業種の追加をする場合
    3. 役所から個別に求められた場合(財務が異常に悪い等)

    更新だけなら、安心してよいポイントです。

    ◆ 3. 更新で一番多い「不受理」は、実は別の場所にある

    納税証明書より 100 倍大事なのが、決算変更届と変更届の提出漏れ。

    ● 決算変更届(事業年度終了報告)が未提出

    多摩地域で実際に多い相談がこれ。
    「売上ゼロだから、決算変更届って出さなくていいと思ってた…」
    → 売上ゼロでも絶対必要です!!

    決算変更届が出ていないと、
    東京都は更新申請をそもそも受け付けてくれません。

    ● 役員変更・本店移転の届を忘れていた

    建設業許可は「変えたらすぐ届出」が原則。

    しかし多くの会社が、税務署や法務局の届けだけで「全部済んだ」と勘違いします。

    • 代表取締役の交代
    • 取締役の新任・退任
    • 本店移転
    • 商号変更

    これらが未届出だと、更新時に発覚して“更新できない”事態も。

    ◆ 4. 経営業務管理責任者(経管)の常勤性が厳しく見られる

    実は東京都は全国トップレベルで“経管の常勤性”をチェックします。

    例えば、

    • 社会保険は入っているか
    • 出勤している証拠(出勤簿・給与台帳)はあるか
    • 他社で社会保険に加入していないか
    • そもそもその会社で役員をしているか

    以前、「社長が 3 社掛け持ちで役員」という会社がありましたが、
    東京都は速攻で不受理にしました。
    (※建設業の経管は兼務 NG)

    多摩地域の家族経営などで「名前だけ役員」になっているパターンは特に注意です。

    ◆ 5. 専任技術者も厳しい(資格証・実務経験の証明)

    専任技術者も、

    • 常勤性
    • 資格証明書
    • 実務経験証明
    • 過去の勤務先の書類

    などが細かく見られます。

    退職していたのに会社が気付いていない、
    あるいは他社で働いていたなども発覚したら不受理です。

    ◆ 6. 営業所の実態も審査ポイント

    東京都は「営業所の実態」をかなり重視します。

    必要なポイント:

    • 独立した事務スペース
    • 机・パソコン・電話などの最低限の設備
    • 経管・技術者が常勤している証拠
    • 自宅兼事務所の場合は特に厳しい(専有スペースの写真必須)

    東京都は“設備ゼロのマンションの一室”などは即アウト。
    多摩地域でも自宅兼事務所が多いため、ここは特に注意が必要です。

    ◆ 7. 社会保険の加入状況は必ず確認される

    加入が必須かどうかより、
    「改善しているか」「加入に向けて動いているか」を見る
    というのが東京都の姿勢です。

    • 加入済み → OK
    • 未加入 → 改善計画書の提出になる場合あり

    ◆ 8. 更新は“新規申請とほぼ同じ”と考えるのが安全

    更新は「簡単に終わる」と思われがちですが、
    東京都の実務では新規申請とほぼ同レベルのチェックが入ります。

    つまり:

    • 経管の要件
    • 専任技術者の証明
    • 決算変更届
    • 営業所の実態
    • 社会保険の加入状況

    これらをゼロから全部見直す必要があるということです。

    ◆ 9. 実務で最も安全なのは“3 か月前から準備”

    東京都の更新は提出期限ギリギリに来るほど危険。

    理想スケジュール:

    • 3 か月前:書類チェック開始
    • 2 か月前:不足書類の回収
    • 1 か月前:提出
    • 期限の 30 日前:余裕でクリア

    このスケジュールなら、
    調布・府中の窓口の混雑や、書類の取り寄せの遅延にも対応できます。

    ◆ 10. 多摩地域の建設業者向けまとめ

    調布・府中・稲城・多摩地域の会社が特につまずくポイントをまとめると:

    • 決算変更届の未提出
    • 変更届(役員・本店移転)の忘れ
    • 経管・技術者の常勤性不足
    • 営業所の設備が不十分
    • 社会保険の加入漏れ
    • 更新期限ギリギリ

    これさえ押さえれば、更新は 99%スムーズです。

    ◆ まとめ

    東京都の建設業許可更新で特に誤解されやすいのが以下の 2 点。

    1. 納税証明書は更新では不要
    2. 更新は簡単そうで、実は新規並みにチェックが厳しい

    更新を甘く見ている会社は、
    たいてい「決算変更届」や「人の要件」でつまずきます。

    この記事の内容を押さえておけば、
    調布でも府中でも稲城でも、どの窓口でも安全に更新が通ります。